ジェフ・ブリッジス
『恋のゆくえ』のジェフは、彼の持つデカダンスを全面開花させた映画として印象深い映画でした。
演技という点では兄貴のボーに完全に負けたかもしれません。
しかし、ジェフがこの映画で見せた退廃的な色気は、アメリカの男優には希少なものでした。
その都会調から一転、土臭い男をウォーレン・オーツ的に演じた『ラスト・ショー2』へ。
彼は本当に幅の広い役者だと思います。
『ラスト・ショー』の元気少年は、『ラスト・ショー2』の中年ダメ男になってしまいましたが、ジェフは俳優として、実にうまく年をとっています。
いつも平均点をとってしまうので印象が薄いのが残念ですが、それもいかにもジェフらしい点と言える、俳優として誇らしい部分なのかもしれません。
ジェフ・ブリッジス
『サンダーボルト』のライトフット役で若手演技派のトップに踊り出たジェフだが、なぜかその後は低迷しました。
『スターマン』の宇宙人役で名を上げることになるのですが、あまり感心を得ない人もいたようです。
たしかに彼らしいデリケートな演技で泣かせましたが、映画自体どこか散漫だったせいか、大向こう受けの演技にとどまっていたと言う印象をもたれたようです。
この作品より、余り話題にはならなりませんでしたが『800万の死にざま』の方が、ずっとジェフの魅力を生かしていました。
ジェフが演じたのは、アル中のため世間からの離脱を余儀なくされる私立探偵で、禁酒会のメンバーに入ったりするのがおかしかったです。
ジェフは拳銃を持つと手が震えるというはなはだかっこ良くない探偵を、うまく演じていました。
ジェフは一見健康二枚目タイプなのだが、ふっと弱々しげに見える一瞬があります。
ニコニコ笑っていても何やら自嘲っぼくて、実はオレってダメな男なんだ、と言っているような感じがしました。
その細い目は、人生や社会や男の何たるかを見てしまったような戸惑いに満ちています。
ジェフ・ブリッジス
淡々と役を演じ、他の俳優に食われることはあっても、食うことはまずなかったようです。
そのあたりの程の良さに好感を持たれました。
でも、俳優としては何とも弱い印象もありました。
ジェフが一番印象的だったのは、何といっても『サンダーボルト』のライトフット役です。
これはとても良かったように思います。
クリント・イーストウッドはじめ、くたびれた3人の中年男たちと強盗「味を組む若いチンピラ役で、動きが緩慢なとっつあんたちの尻をたたき、いつも跳びはねてるような元気男。
ライトフットとあだ名されるように、見事な章駄天が売りでした。
そして、運転技術は抜群、ナンパの腕もお見事、作戦を成功に導くのもこの男なのでした。
中年男たちもこの小僧の腕にひれ伏してしまうのですが、ジェフは生きの良さだけではなく、ふっと淋しげな様子を見せるところなどで抜群の演技力を見せ、アカデミーのノミネートと相成ったそうです。